紹介と反応

こんな私の書く文章でも
「紹介させてください」
「転載させてください」
と言われたことがあります。

当然、WEBに載せている以上
載せているURLが流布されれば
預かり知らぬところで紹介されているのかも知れないけれど
断りを入れてくださることや
まして紹介したいと思ってくださる気持ちは嬉しいです。

しかし、最近私は考えています。

紹介、とセットになっている「読者の反応」の事です。
実際「お勧め」と称して転載されたとしても
読者は千差万別で趣味も嗜好も違います。
実際、転載の許可を出したのちに、
「あまり受けませんでした」などと言われたこともあります。

うおのめ文学賞の一件でも
何であれが、と言う不満の声も実際目にしていますが
うおのめに限って言えば『投稿』である故
納得もしているし、理解もしています。
紹介と投稿は全くの別物です。
投稿はあくまでもそんな舞台のものですから
当然いろんな意見が出て構わないし、覚悟もあります。

物を書く以上、反応は欲しいです。
ヒトリヨガリにならないために、と言う謙虚な部分と
単純に楽しんでもらえたかという、興味もあります。
しかし、私は基本的に
「作者と読者はGive&Take」だと思っています。

自分の書きたい世界を書くことが既に私へのTakeであり
読んで楽しい時間を過ごしてくれれば読者へのGiveになり
そして、楽しんでもらえるのは私への大きなTakeなのです。
全てがGiveでもTakeでも歪みがでる気がします。

このスタンスから言って
出来ることなら私が自ら配信したものを
読者に届けたい、と思っています。
その配信方法のひとつに
ご紹介、と言うものがあるのかもしれませんが
反応を紹介者の方から読者に求めるのは
どうも向学より摩擦ばかりを生む気がします。

私は反応を得るためにもメルマガを出しています。
このメルマガはここ以外では宣伝していません。
そうすることで、純粋に読者数が指標となり
その数の皆さんに書き続けることを支えてもらっています。
今のところ、この方法は私にとって
とても大変だけど、実にもなっていると思っています。

WEBとは、何を言われてもいい所ではなくて
普通より大声で皆に聞こえる所、じゃないでしょうか。
だから大声で言わなくていいことは言わなくていい。
見なくていいものは、通り過ぎればいい。

紹介してくださる方は、自分と同じ感想や違う感想を
行き来させるのは充実していると思うかもしれません。
しかし、書いたほうはそうとも限りません。
自分の書いたものを読者自ら求めた訳じゃないのに
自分が感想を募集した訳じゃないのに
それを自分の作品とともにWEB上に並べられるのです。

つまり、紹介と言うありがたい気持ちの側面には
直接私に届かない不満の声があると
認識した方がいいようです。
勿論、ここで読まれた方は
いろんな反応を示してもらいたいです。
ここは直接私に届きますから。
(当然、第三者が読んでも不愉快な発言については
作者としてではなく管理者として処理しますけど。)

読者至上主義、編集者至上主義、作家至上主義。
どれも傲慢な響きを私は感じます。

声を大にして言いたい事は
「作家はそのサイトを信用して掲載してもらうのだから
サイト運営者には、その作品の最大の理解者であって欲しい」
ということです。
言われっぱなし、書かれっぱなし。
それでは、折角提供したほうは裏切られた気持ちになります。
それを全て把握し、責任を持って掲載することが
果たして生活の片手間に出来るでしょうか?

だから私の個人的な意見として
紹介は『面白かったよ』程度がいいのではないかと思うのです。

『感想をお寄せください』は、作者自身が言う台詞です。


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