向かい合って 何をするわけでもなく ただ 貴方の視線を追いながら でも 焦点が合うと俯き ぬるくなり始めた珈琲の 油の浮き方をチラと見て その時間さえ惜しくて また貴方を見つめ 心の語らいを 一語一句 刻んで 刻んで 「出ようか」と唇が動くまで
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